2019年50号 くらしの情報
くらしの情報 ゆか(管理栄養士・上級食育指導士)
「油断大敵の油の話♪」
敬遠しがちな油ですが、実はとっても大切な栄養素です。油を制すものは身体を制す。と言われています。油を毛嫌いをして、まったく取らないようにしている方にも出会いましたが、それは危険です。質の良い油を適量とることが大切です。
●大活躍・油の働き♪
①よく見える目。網膜や視神経の構成成分になります。
②切れる脳に。神経組織の構成成分。脳の発達や記憶などの認知機能の維持に関わります。
③つやつやな肌に。皮膚を健康に保ちます。
④傷が治りやすい。出血を止めます。
⑤疲れにくい元気な体。全身の細胞膜の材料。身体を保温、保護をする。
⑥病気になりにくい。粘膜の保護。免疫力に関わります。
⑦血液サラサラに。血栓の予防に。※油の種類とバランスによって異なります。
油は体の様々な場所で働いてくれています。
●油の種類・特徴を知ろう!
油は常温で固まる『脂』と、常温で液体の『油』。そして要注意の油・トランス脂肪酸があります。一つづつ見ていきましょう。
<脂・飽和脂肪酸について>
代表的な食材は肉類、牛乳などの乳製品。
特徴として、固まりやすい。飽和脂肪酸ばかりの摂取は血液ドロドロになります。
通常、空気にふれると酸化(老化)をしますが、飽和脂肪酸は酸化が、されにくいです。
<油・不飽和脂肪酸について>
代表的な食材は、オリーブ油、菜種油、米油、コーン油、魚油、高級な油といえば亜麻仁油、えごま油など。特徴として常温で固まりにくいので、血液をサラサラにします。ただ液体なので酸化しやすいです。抗酸化ビタミンといわれるビタミンACEを同時摂取するとよいです。バランスとしては、脂1に対して油2以上が理想です。冷え、アレルギー、粘膜の弱い方は、脂1に対して油2.5から3以上が良いです。
<要注意!トランス脂肪酸>
人工的に作られた油です。自然界には存在しません。ですから、代謝不良、血栓、動脈硬化などのリスクがあります。WHOは総エネルギーの1パーセント未満に抑えるように勧告をしています。マーガリンやショートニングの表示はチェックしましょう。粘膜の保護をしっかりと質の良い油で守ってもらいましょう。